新たな勝負の始まり
第11回宮城山形対抗戦が11月26日-27日、天童温泉天童ホテルで開催された。
第10回まで5勝5敗の五分、今回でどちらかがリードする。
新たな勝負の幕開けで興味一杯の大会であった。
今回も島東北総括本部長のはからいで、島朗9段・鈴木大介8段・矢内理絵子女流4段・中村真梨花女流2段の4名の棋士が参加してくれる。参加者にとって至福の2日間になることだろう。
大会の様子を自戦記を交えながらお伝えしたい。
~大会当日~
午前8時30分ころ、天童将棋交流室に盤駒時計の準備で行った。そこで、偶然に浅野石巻支部長と2名の方々とバッタリ遭遇。予定より早く着きすぎて天童駅周辺を散策中とのこと。遠路ありがとうございます。
石巻は、今回の大震災で被災された。それにもかかわらずご参加とは、頭がさがる思いである。しかも、避難所から参加の方もいる。少しでもこの大会が復興の源になってくれることを期待したい。
9時、天童ホテルのトラックが到着した。綾小路さん・福田さん・悪代官で盤駒時計を運搬。前日にコンテナに用意してあったので10分で終了。事前段取りは必須と改めて感じる。盤駒設営は、東北大将棋部と早めに会場到着された方々でテキパキと終了。陣頭指揮の綾小路さんもラクチンであった。
今回の事務局はすべて宮城の方々がやってくれる。山形側の事務局がいなく申し訳ありません。熊谷達人はもう組合せを行っている。(成績表・対戦表まで準備いただき感謝いたします)。女神杉山さん・アイドル伊藤さんも準備万端のようだ。
大村代表とあいさつ、お互い10年を過ぎた大会の感激に浸ってしまった。お互いの健闘を誓いしばしの談笑。
参加予定の方々が、続々と集まってくる。今回は、過去最高の110名ほどの参加者だった。天童支部子供教室よりも小中学生が参加する。強い人と対戦は貴重な経験になるだろう。勝敗の結果だけではない。
岩手から細川県連会長+2名・福島から吉田福島将棋連盟会長(福島原発より自宅が数キロ、避難先の郡山から参加)・東京から奥村さんら蒲田軍団と県外の方々の参加も嬉しいことだ。そして、遠路1500km上條さんさんが福岡から飛んでくる。ありがとうございます。
受付も順調に進んでいる。さすが宮城の女性陣はしっかりしていると感心。
吉田会長 「これ、さしいれのお酒」と一升瓶を差し出す。
女神杉山さん「ありがとうございます」満面の笑みをたたえた。
吉田会長 「今回は焼酎なんだ」
女神杉山さん「エッ・・・・・・」唖然とつぶらな瞳で吉田さんを見上げる杉山さんだった。(内心はチェッ・・と言ったような気がした。どんだけ日本酒が好きなんだろうか)
しかし、地酒が8本ほど差し入れがあった。(女神杉山さん大喜び)
悪代官・大村代表のあいさつで会が開始された。
失礼、山口山形県連会長・細川岩手県連会長の来賓あいさつもありました。
さあ~、新たな勝負の幕開けである。
1回戦 ○佐藤光政さん
山形 22-21 宮城 よい勝負
図(▲45飛と角を取った)で勝ちと思ったが、即詰みの手順が見えない。△45同桂に▲89玉と金を取るのではおかしい。思わず10分の長考になってしまった。しかし、ようやく後手玉の即詰みを発見。本譜は△99金から△45桂だったので、▲71銀△同玉▲63桂△72玉▲82金(この手が見えなかった)△同玉▲71角以下詰み。あいかわらず読みが遅い。この調子ではこの先思いやられる。
1回戦終了、突然電話が鳴る。(電話はいつも突然だ)大介先生からだった。
大介先生「棋士の鈴木です。天童駅にだれもいないのですが・・」
悪代官 「え~、ホテル迎えの人いませんか?」
大介先生「いないようです、タクシーで行きます。どこに行けばいいですか?」
ホテルの手落ちがあったようだ。そして、先生方は場所を知らなかったようだ。
ホテルに怒っても仕方ない、玄関先で先生方をお迎えする。
無事到着、良かった、よかった。
理絵子嬢・真梨花嬢にあいさつ。さっそく昼食会場へ。
今回のルールを説明する。(女流には優しい愛の鞭ルールだ)
先生方は、3面指し・1時間切れ負け・宮城山形の助っ人・女流は全勝勝の豪華賞品あり。
両女流から了解の返事をいただいた。全勝するつもりのようだ。
大介先生「全勝は1局終わってから考えた方がいいですよ」やさしいアドバイスである。
2回戦 ○吉田俊哉さん
山形 48-42 宮城 少し優勢に
福島の吉田会長と対戦、きっと初対局と思う。
図(▲55歩)で先手少し苦しいか?以下△39飛(△47銀が嫌だった)▲54歩△同金(敗着か?しかし△42銀とは指しずらいか)▲55歩△同金▲71角で必勝になったのには驚いた。吉田さん本調子でなかったようだ。原発は悪なことをするもんだ。
2回戦終了、理絵子嬢の全勝が早くもなくなってしまった。大介先生のアドバイス通りだった。島先生が到着した。今度は迎えバッチリOK(女神杉山さん付き添いが正解だった)
第3回戦に入ってもらう。
島先生「女流は3面ですか、うん、なるほど・・ふむふむ・・私は年ですので1面で・・」
理絵子嬢「私も年なんですけど・・・」とポツリ
全勝真梨花嬢、ニコニコして聞いている。(余裕たっぷりのようだ)
福岡上條さんも空を飛んで到着(若手杜氏の地酒持参、おいしかった~)。さっそく、悪代官と理絵子嬢に挑戦である。
3回戦 ○矢内絵里子女流
山形 77-60 宮城 大優勢になった
矢内女流と初対戦。予想通りごきげん中飛車の戦型。序盤作戦負けだったが、矢内女流決め手を逃してくれた。3面指しの弊害か。持ち直し混戦になった。ここで▲65歩で先手良くなったと思った。その後、うまく寄せることができた。矢内女流3面指しに苦労しているようだ。これも愛の鞭とご容赦願います。隣の福岡大祥も辛い差し回しをしている。性格は変わらないようだ。
初日が終了した。
3連勝者は
山形 花輪・山口・堀井・尾形・岡部(博)
宮城 庄司・今野・初田・宮野・近江・佐藤(伸)・鈴木(政)
先生方
大介先生 4-0 厳しい指導です。
矢内女流 2-4 お花奮発でしょうか。
中村女流 6-0 全勝賞がでるか、見事です。
さて、お楽しみ懇親会開催である。
差し入れのお酒と天童地酒が15本ほどが並ぶ、壮観・壮観。
熊谷達人の司会で進行、お楽しみ抽選会(直筆扇子・サイン入り本・サイン入り将棋カレンダー等)が始まった。ところが、誰かの発案でオークションにして震災義援金との話に変更になった。大盛り上がりで38000円が集まった。(後日山形新聞愛の事業団に持参・新聞記事掲載)みなさんありがとうございます。
全員一言紹介・地酒を楽しみ・記念撮影・将棋談義と大盛会の内に1次会終了。
島先生は明日の仙台イベントのためお帰りになった。
2次会は、各自それぞれの楽しみ方。宮城の幹事部屋・お風呂・部屋で将棋・外のスナック・・・。私は近くのスナックを予約してあったので先生方3名と20名ほどで外出。
理絵子嬢と話していると「正統派翔太」が隣に来た。大村代表の命で今回のレポートを書くらしい。ネタを探しているようだ。さっそく理絵子嬢にインタビュー開始。
悪代官 「私の裏情報網に理絵子嬢の話がほとんど上がってこないのですが・・・」
理絵子嬢「鉄のカーテンでシールドしていますから・・・・」?
悪代官 「でも、おつき合いされているのは将棋関係者とか・・」いいかげんなガセネタ
理絵子嬢「そんなことないですよ、一般の・・・」ムッ・週刊将棋誌が飛びつきそうだ
悪代官 「う~ん、やはり?が多いですね。そうだ翔のレポート、私が題名をつけましょう・・・・理絵子の謎はどうかね。」翔は大笑いしている、理絵子嬢は冷ややかな目・・(汗)
結局題名は、「理絵子嬢の謎・なぞ」に決定した。その後カクテル命名の話になったが、ひんしゅくを買いそうで書くことができない。(失礼はご容赦を・・)
あとは、正統派翔太、よろしくお願い。
夜も更け、大介先生と真梨花嬢は将棋で真剣勝負をしている。そろそろお開きとなった。
みなさん、勝負の後でお疲れのようです。ごくろうさまでした。
さ~2日目勝負の続き
2日目の朝は早い、8時30分スタートだ。
いつも感じるが、空気がよどんでいるような感じがする。
昨夜ののみ疲れ、寝不足が空気に伝染しているのだろうか。
昨日は望外の3連勝、このまま続くとは思えないががんばろう。
4回戦 ○初田義明さん
山形 97-87 宮城 少し追い上げられる
図で先手少し良いと思っていたが、△22歩とされたら形勢不明。しかし、本譜は△56歩▲同銀△55歩▲34歩△44角▲45銀と気持ちがよい手で先手大優勢に。その後も珍しく堅実に寄せきることができた。4連勝は望外の結果。どうしたのだろうか。自分でのビックリであった。大村代表からもお褒めの言葉をいただいた。
真梨花女流、痛恨の1敗。残ながら全勝賞がなくなってしまった。しかし、3面指しでこの成績はすばらしい。よほど勉強しているのだろう。今後、女流タイトル戦での活躍を期待したい。
5回戦 ●鈴木大介8段
山形 119-111 宮城 また追い上げられる
大介先生の相手3名は、山形側の4連勝者。見ると、堀井君・尾形君と天童支部の若手と同席になった。みんな奮闘しているな~と感心。少しでも勝負形にしたい。しかし、さっそく知らない手が指された。ごきげん37銀超急戦戦法に△44歩が最近指された「菅井新手」とのこと。全然知らなかった。大介先生も意味がわからない、と自分で言っている。長考になってしまった。結局▲46銀△56歩▲同歩△同飛▲55銀△62玉▲44銀△42角、ここでまた解らない。ここで▲55銀のバックはおかしかったか?結局力の差が出る展開になってしまい、大敗。図では▲58金右が実践例とのこと。将棋はまだまだ新手があるものだ。
6回戦 ●岩淵則幸さん
山形 136-138 宮城 あ~まさかの逆転!
勝負は下駄を履くまでわからない。
野球はツーアウトから。
あきらめた方が負け。
万事塞翁馬。
頭金までは投げない。
・・・・・
いろんな言葉がかけめぐる。
最後まで勝負をあきらめない宮城県の気迫が上回った結果だろう。
結果は残念だが、お互いの健闘をたたえ合いたいと思う。
大村代表がニコニコしながら、気の毒そうに近づいてくる。
最後逆転は驚きでした。なにか申し訳ないですね。と言っている。
しかし、興行的には面白い大会でした。結果は時の運ですから・・
と話すしかなかった。
大会は劇的結末で幕を閉じた。
みなさん、2日間将棋を堪能したと思います。お疲れ様でした。
島先生には、大会を盛り上げていただいた、棋士派遣に御礼申し上げます。
また、来年の大会を楽しみにしたいと思います。
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宮城HP大村代表の投稿より
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